「郷に入っては郷に従え」の正しい意味とは?意外な由来と使い方を解説
「郷に入っては郷に従え」
新入社員として新しい職場に入ったとき、海外へ留学したとき、あるいは転職して慣れない環境に飛び込んだとき、この言葉を耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。
このことわざ、なんとなく意味は分かるけれど、正しい意味や、由来を詳しく知っている人は意外と少ないかもしれません。この記事では、「郷に入っては郷に従え」の意味と、意外な由来、そして現代社会における使い方まで、分かりやすく解説します。
「郷に入っては郷に従え」の正しい意味と類義語・反対語
このことわざの意味は、「新しく入った土地や共同体では、その場所の習慣や人間関係、ルールに従うのが賢い」ということです。新しい環境に早く馴染むための知恵であり、周りの人に敬意を払うことの大切さを教えてくれます。
類義語
長い物には巻かれろ: 自分の意見を通すよりも、力のある人や集団の考えに従った方が得策である、という意味。
朱に交われば赤くなる: 交わる相手によって、良くも悪くも影響を受けるという意味。
反対語
人の行く裏に道あり花の山: 他の人が行かないような、人とは違う行動をすることで、思わぬ成功や利益を得られるという意味。
「郷に入っては郷に従え」の由来は意外にも…
このことわざの由来は、実は中国の古典にあります。特に有力な説が二つあり、一つは孔子の弟子の言葉から、もう一つは仏教の教えから来ています。
説その1:『論語』との関係
出典の一つとして知られるのが、孔子の言行録である『論語』です。正確には『論語』そのものにこの言葉が載っているわけではありません。
この言葉は、孔子の弟子が「郷里(故郷)では質実剛健な行いをすべきか」と尋ねたのに対し、孔子が「郷に入っては郷に従え」と答えた、という話がもとになったと言われています。
説その2:仏教の教え
もう一つの説は、仏教の教えから来たというものです。仏教では、仏の教えを広める際には、その土地の風俗や習慣を尊重し、無理に仏教の教えを押し付けないことが大切だと説かれました。
この「郷に入っては郷に従え」という言葉は、仏教が中国から日本に伝わる過程で、その土地の文化を尊重する考え方として広まった、という説もあります。
「郷に入っては郷に従え」の現代での使い方と例文
このことわざは、海外生活やビジネスなど、さまざまな場面で役立ちます。
例文
新入社員向けの研修で: 「郷に入っては郷に従え、まずは職場のルールや人間関係をしっかり学ぶことが大切です。」
海外生活を始める友人に: 「せっかく海外生活をするなら、郷に入っては郷に従えだよ。その国の文化や習慣を大切にして、新しい発見を楽しんでね。」
ビジネスシーンで: 「新しい取引先には、郷に入っては郷に従えの精神で、相手の会社のやり方を尊重することが成功の鍵だ。」
海外ではどう言う?「郷に入っては郷に従え」の英語
このことわざに似た英語表現もいくつかあります。
"When in Rome, do as the Romans do."
これは最も有名な表現で、「ローマにいるならローマ人のするように振る舞え」という意味です。
"In a new place, act according to the local customs."
よりシンプルに「新しい場所では、現地の習慣に従って行動しなさい」と表現することもあります。
まとめ
「郷に入っては郷に従え」は、単に相手に合わせるだけでなく、相手への敬意や協調性を示す、とても大切なことわざです。新入社員や海外生活、新しい環境に飛び込む際には、この言葉を心の片隅に置いておくことで、きっと新しい人間関係がスムーズに築けます。
この言葉の奥深い由来を知ることで、また違った視点から物事を考えられるようになるのではないでしょうか。