生理が来たら妊娠はしていないの? 専門家が教える正しい知識と注意点
「生理が来たから、妊娠はしていないはず!」そう思っている方は多いのではないでしょうか?
性行為の後に生理が来ると、ホッと一安心しますよね。でも、本当に生理が来たら妊娠していないと断言できるのでしょうか?
この記事では、妊娠と生理の関係について、専門的な視点からわかりやすく解説します。
生理が来たのに妊娠していたというケースや、生理に似た出血との見分け方、妊娠の可能性が残るケースについても詳しくお伝えします。
この情報を知っておくことで、無用な不安から解放され、安心して過ごせるようになりますよ。
そもそも、生理が来るメカニズムって?
まず、生理がなぜ来るのか、簡単に理解しておきましょう。
女性の体は、毎月「妊娠に備える」準備をしています。
排卵: 卵巣から卵子が放出されます。
子宮内膜の準備: 子宮の内側の壁(子宮内膜)が、受精卵が着床しやすいように厚く、フカフカになります。
受精: 卵子と精子が出会うと受精が成立します。
着床: 受精卵が子宮内膜にしっかりとくっつくことを「着床」と呼びます。
この一連の流れの中で、もし受精や着床が起こらなかった場合、妊娠の準備に使われた子宮内膜は不要になり、剥がれ落ちて体の外へ排出されます。
これが「生理」です。
つまり、生理が来るということは、子宮内膜が剥がれ落ちたことを意味し、妊娠は成立しなかったと判断できるのです。
このことから、「生理きたら妊娠してない」というのは、基本的に正しいと言えます。
「生理みたいな出血」にご用心!生理と着床出血の違い
生理が来たと思っていたら、実は妊娠していたというケースがある、と聞いて驚かれた方もいるかもしれません。
これは、生理に似た出血を「生理だ」と勘違いしている場合がほとんどです。
特に注意したいのが「着床出血」です。
特徴 | 着床出血 | 生理 |
時期 | 排卵から約7〜10日後 | 予定日通り、またはずれることも |
期間 | 1〜3日程度と短い | 3〜7日程度と比較的長い |
量 | 少量、おりものに混ざる程度 | 日によって量が増える |
色 | ピンク、茶色っぽい | 鮮血、赤黒いことが多い |
痛み | ほとんどない、軽い下腹部痛 | 生理痛特有の重い痛みがある |
着床出血は、受精卵が子宮内膜に着床する際に、子宮内膜の血管が少し傷ついて起こる出血です。
量も少なく、期間も短いため、「いつもと違うな」と感じる方が多いです。
もし、いつもより出血が少なかったり、期間が短かったりした場合は、着床出血の可能性も視野に入れるようにしましょう。
生理が来ても妊娠の可能性が残るケースとは?
「生理が来たから大丈夫!」と安心しきってしまうのは少し危険です。
以下のようなケースでは、生理が来たように見えても、妊娠の可能性が残っていることがあります。
1. 不正出血だった場合
ストレスやホルモンバランスの乱れ、病気などが原因で、生理とは異なる不正出血が起こることがあります。
この不正出血を「生理がきた」と勘違いしてしまうと、妊娠の有無を見逃してしまうことがあります。
生理周期が不安定な方や、生理不順で悩んでいる方は特に注意が必要です。
2. 生理と勘違いするほどの着床出血
先ほど解説したように、着床出血の量や期間には個人差があります。
中には、普段の生理と区別がつかないくらいの出血がある方もごくまれに存在します。
しかし、一般的に着床出血は生理よりも軽く、期間も短いため、多くの場合は見分けがつきます。
3. 予定日と勘違いしている場合
**「性行為をしたのは生理後だったけど、次の生理が来たから大丈夫」**と思っていませんか?
しかし、排卵のタイミングは人によって異なり、また、日々の体調によっても変動します。
そのため、生理予定日もずれることがあります。
「性行為があった後、普段と違うタイミングで出血があった」という場合は、生理と断定せず、妊娠検査薬を試してみることをおすすめします。
妊娠してると思ったら生理きた!どうして?
「もしかして妊娠かも?」と感じていたのに、生理が来てしまったという経験がある方もいるでしょう。
これは「想像妊娠」や「化学流産」という現象が考えられます。
想像妊娠: 妊娠を強く望むあまり、つわりのような吐き気や微熱、下腹部の張りなど、妊娠初期症状に似た体の変化が起こることがあります。これは心理的な影響によるもので、生理は通常通り来ます。
化学流産: 受精はしたものの、着床がうまくいかなかったり、ごく初期の段階で成長が止まってしまい、生理と一緒に流れてしまうことです。
妊娠検査薬で陽性反応が出た後、生理が来た場合、この化学流産である可能性があります。
着床の前に終わってしまうため、自覚症状がないまま生理が来ることがほとんどです。
まとめ:生理が来たら基本的には妊娠していない!でも…
生理が来たら妊娠していないと判断して、基本的に問題ありません。
ただし、生理に似た出血(着床出血、不正出血など)との区別が重要です。
いつもと違う出血や、体調の変化があった場合は、念のため妊娠検査薬を試すとより安心です。
妊娠検査薬は、生理予定日の1週間後から使用できるものが一般的です。
妊娠について少しでも不安な気持ちがある方は、一人で悩まずに、信頼できる婦人科クリニックに相談してみるのも一つの方法です。
この記事の情報が、あなたの不安を少しでも和らげる手助けになれば幸いです。