目の不快感、どうにかしたい! ものもらい・結膜炎の原因と賢い目薬選びのポイント
朝起きたら、まぶたが腫れて目が開けにくい…。なんだか目ヤニが多いし、目がかゆい、赤い…。そんな経験、ありませんか? もしかしたら、それは「ものもらい」や「結膜炎」かもしれません。
目のトラブルは、日常生活に大きな不便や不快感をもたらしますよね。特に、これらの症状は似ているため、「病院に行くべき?」「市販薬で様子を見ても大丈夫?」と悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ものもらいと結膜炎のそれぞれの原因と症状の違いを分かりやすく解説します。さらに、症状に合わせた市販の抗菌目薬の選び方、そして病院を受診すべきケースまで、あなたの目の健康を守るための役立つ情報が満載です。目の不快感をすっきり解消して、快適な視界を取り戻しましょう!
「ものもらい」と「結膜炎」、何が違うの? 原因と症状を比較
目の症状は似ていても、原因となる菌や炎症が起きる場所が異なります。まずは、それぞれの特徴を理解しましょう。
1. ものもらい(麦粒腫・霰粒腫)
「ものもらい」は、まぶたの油分を分泌する腺(マイボーム腺やモル腺)や汗を出す腺(ツァイス腺)に細菌が感染して炎症を起こす病気です。地域によっては「めばちこ」「めいぼ」などとも呼ばれます。
主な原因菌: 黄色ブドウ球菌などの細菌。
症状:
まぶたの腫れ: 部分的に赤く腫れ、触るとしこりのように感じられることがあります。
痛み・かゆみ: ズキズキとした痛みや、かゆみを感じることがあります。
膿(うみ): 進行すると、しこりの中心に膿がたまり、破れて出てくることもあります。
目のゴロゴロ感: 異物感を感じることがあります。
種類:
麦粒腫(ばくりゅうしゅ): 急性化膿性炎症。まぶたが赤く腫れ、痛みやかゆみを伴い、膿がたまる。
霰粒腫(さんりゅうしゅ): 油分が詰まることで起こる慢性炎症。痛みはほとんどなく、まぶたにしこりができる。細菌感染を伴うと、麦粒腫のようになることも。
うつる?: 基本的にはうつりません。 細菌感染が原因ですが、人から人へ感染するタイプのものではありません。
2. 結膜炎(けつまくえん)
結膜炎は、白目の部分とまぶたの裏側を覆う「結膜」という膜が炎症を起こす病気です。
主な原因:
細菌性: 黄色ブドウ球菌、インフルエンザ菌などの細菌感染。
ウイルス性: アデノウイルス(はやり目)、エンテロウイルスなど。
アレルギー性: 花粉、ハウスダスト、コンタクトレンズなど。
症状:
目の充血: 白目が真っ赤になります。
目ヤニ: 黄色っぽいネバネバした目ヤニ(細菌性)、サラサラした目ヤニ(ウイルス性、アレルギー性)など。
涙: 涙が出やすくなります。
目のゴロゴロ感・異物感: まぶたに何か挟まっているような不快感。
かゆみ: 特にアレルギー性結膜炎で強いかゆみが出ます。
まぶたの腫れ: 炎症が強いとまぶたも腫れることがあります。
うつる?:
細菌性・ウイルス性: うつります。 特にウイルス性結膜炎は感染力が非常に強く、「はやり目」と呼ばれ、学校や職場で集団感染することもあります。
アレルギー性: うつりません。
市販の「抗菌目薬」はどんな時に使える? 選び方のポイント
「ものもらい」や「細菌性結膜炎」など、細菌感染が原因の目のトラブルには、市販の「抗菌目薬」が有効な場合があります。
抗菌目薬の成分
市販の抗菌目薬には、主に以下のような有効成分が配合されています。
スルファメトキサゾールナトリウム: 様々な細菌に効果を発揮するサルファ剤系の抗菌成分。
プラノプロフェン: 炎症を鎮める非ステロイド性抗炎症成分。
クロルフェニラミンマレイン酸塩: かゆみを抑える抗ヒスタミン成分。
ビタミンE(酢酸d-α-トコフェロール): 血行促進作用があり、新陳代謝を促します。
L-アスパラギン酸カリウム: 目の細胞の呼吸を助け、疲労回復をサポートします。
賢い選び方のポイント
「抗菌成分」配合か確認: まずは、パッケージに「抗菌」「サルファ剤配合」などの表示があるか確認しましょう。
抗炎症成分も入っていると効果的: 痛みや腫れ、充血が気になる場合は、プラノプロフェンなどの抗炎症成分が配合されているものを選ぶと、症状の緩和が期待できます。
かゆみが強いなら抗ヒスタミン成分: かゆみがつらい場合は、クロルフェニラミンマレイン酸塩などの抗ヒスタミン成分配合のものがおすすめです。
防腐剤フリーか確認: コンタクトレンズを装用している方や、目に刺激を与えたくない方は、「防腐剤フリー(防腐剤無添加)」の目薬を選ぶとより安心です。
使いきりタイプも便利: 衛生面が気になる方や、持ち運びたい方には、1回使いきりの個包装タイプも便利です(例: ロート抗菌目薬iなど)。
【注意!】ウイルス性結膜炎やアレルギー性結膜炎には、抗菌目薬は効果がありません。
ウイルス性の場合は対症療法が中心となり、アレルギー性の場合はアレルギー用目薬が必要です。症状が判断できない場合は、自己判断せずに眼科を受診しましょう。
目薬をさす際の正しい方法と注意点
せっかく良い目薬を選んでも、正しい方法で使わなければ効果は半減してしまいます。
手を清潔に: 目薬をさす前には、必ず石鹸で手をきれいに洗いましょう。
下まぶたを軽く引く: 人差し指で下まぶたを軽く引き下げ、目薬の容器の先が目に触れないように注意しながら、1滴点眼します。
目を閉じて目頭を押さえる: 点眼後は、すぐにまばたきせず、ゆっくりと目を閉じ、目頭を軽く押さえて1分ほど待ちましょう。これにより、薬が目全体に行き渡り、鼻や喉に流れ込むのを防げます。
容器の先端に触れない: 目薬の容器の先端が、まつげや目に触れないように注意してください。雑菌が容器内に入り込むのを防ぎます。
用法・用量を守る: 説明書に記載されている用法・用量を必ず守りましょう。必要以上にさしても効果は高まりません。
使い回しはしない: 目薬は個人専用です。家族間であっても使い回しは絶対にやめましょう。
迷ったらこれ! 病院に行くべきタイミング
市販薬で様子を見ても良いケースがある一方で、速やかに眼科を受診すべきサインもあります。
市販薬を使っても症状が改善しない、または悪化する: 2~3日使用しても症状が変わらない、あるいは悪化する場合は、市販薬では対応できない別の病気の可能性があります。
強い痛み、視力の低下、まぶしさ: これらの症状がある場合は、重篤な眼病の可能性があります。すぐに眼科を受診してください。
まぶたの腫れがひどく、熱を伴う: 炎症が強く、蜂窩織炎(ほうかしきえん)など、他の病気への進展が考えられます。
大量の目ヤニ、目が開けにくい: 特に朝、目ヤニで目が開けにくいほどの場合。
発熱や倦怠感など、全身症状を伴う: ウイルス性結膜炎などで全身症状が出ることもあります。
コンタクトレンズ装用中のトラブル: コンタクトレンズが原因で炎症を起こしている可能性もあります。自己判断で使い続けず、眼科を受診しましょう。
乳幼児や高齢者の場合: 自己判断が難しい場合が多いため、早めに眼科を受診しましょう。
症状が左右の目で大きく異なる、片目だけがひどい場合: ウイルス性結膜炎などの可能性も考えられます。
まとめ:目のトラブルは早めの対処と正しい判断で乗り切ろう!
ものもらいや結膜炎は、日常生活に大きな不快感をもたらす目のトラブルです。しかし、それぞれの原因と症状を正しく理解し、適切な対処法を選ぶことで、速やかに症状を改善することができます。
ものもらいや細菌性結膜炎には、抗菌成分配合の目薬が有効。
ウイルス性やアレルギー性には抗菌目薬は効かない。
症状が改善しない、悪化する、強い痛みがある場合は、迷わず眼科を受診する。
目の健康は、日々の生活の質に直結します。目のサインを見逃さず、賢く対処して、クリアな視界と快適な毎日を手に入れてくださいね!