お見舞いのお金は「新札」?それとも「旧札」?

 お見舞いにお金を包む際のマナーは、普段の慶事とは少し異なります。特に「新札か旧札か」という点や、お札の入れ方には気を配りたいもの。相手への気遣いが伝わるよう、正しいマナーで準備しましょう。



お見舞金では、原則として新札は避けるのがマナーとされています。

なぜ新札を避けるの?

新札は「事前に準備していた」という印象を与え、「まるで相手の病気やケガを予測していた、待ち望んでいた」というような誤解を招く可能性があるからです。急な不幸に対して、取り急ぎ手元にあるお金を用意して駆けつけた、という気持ちを表すために、あえて使用感のある旧札を選ぶのが一般的とされています。

もし新札しかない場合は?

もし手元に新札しかない場合は、そのまま包むのではなく、一度軽く折り目をつけてから包むようにしましょう。これによって「急いで用意しました」という気持ちを伝えることができます。ただし、あまりにシワや汚れのひどいお札は失礼にあたるため、できるだけきれいな状態の旧札を選ぶのが望ましいです。


お札を祝儀袋に入れる向きと入れ方

お見舞金を入れる祝儀袋(のし袋)には、「中袋」と呼ばれる内袋が入っていることがほとんどです。お札はまずこの中袋に入れ、それから外袋に包みます。

お札の向き

お札を入れる際は、肖像画が中袋の表面の上側に来るように入れます。複数枚のお札を包む場合は、すべて同じ向きに揃えましょう。

手順

  1. お札の表裏を確認: 肖像画が描かれている面が「表」です。
  2. 中袋の表裏を確認: 金額などを書く面が「表」です。
  3. 中袋に収納: 肖像画が中袋の表側を向き、かつ肖像画が上になるように入れます。

外袋への包み方

お見舞いの祝儀袋は、水引が「結び切り」のものを選びます。これは「一度きり」という意味合いがあり、病気や不幸が二度と繰り返されないようにという願いが込められています。

外袋にお札を入れた中袋を包む際は、以下の点に注意しましょう。

  • 慶事(お見舞い)の場合: 外袋の折り返しは、**下側を先に折り、その上から上側を折って重ねます。**こうすることで、祝儀袋の裏側の折り返し部分が「上向き」になり、「喜びが天を向いて上がる」という意味合いになります。
  • 弔事(不祝儀)の場合: 逆に、上側を先に折り、その上から下側を折って重ねます。これは「悲しみが地を向いて広がる」という意味合いになります。混同しないよう注意しましょう。

その他の「お見舞い」マナーのポイント

お見舞いでは、お金以外にも様々なマナーがあります。

金額の相場

お見舞金の金額は、贈る相手との関係性によって異なりますが、一般的には以下の相場が目安とされています。

  • 親族(両親、兄弟、祖父母など): 5,000円~10,000円
  • 友人、知人、ご近所の方: 3,000円~5,000円
  • 職場関係者(同僚、部下): 3,000円~5,000円(上司の場合は現金より品物が好ましい場合も)

注意点:

  • 「死」「苦」を連想させる4や9のつく金額(4,000円、9,000円など)は避けましょう。
  • 相手に快気祝いの負担をかけないよう、高額すぎないように配慮することも大切です。

渡すタイミング

  • 入院直後や手術直後など、相手の容体が不安定な時期は避け、体調が落ち着いてから伺いましょう。
  • 病院の面会時間を確認し、相手の負担にならないよう短時間で切り上げるのが基本です。

避けるべきこと

  • 新札: 前述の通り、一度折り目をつけてから。
  • 鉢植えの花: 「根付く」=「寝付く」に通じるため、入院が長引くことを連想させるためタブーとされています。切り花やフラワーアレンジメントが無難です。
  • 香りの強い花や花粉の多い花: 病室では迷惑になる場合があります。
  • 縁起の悪い品物: シクラメン(「死」「苦」に通じる)、椿(首が落ちるように花が落ちる)、菊(仏事のイメージ)など。
  • 食べ物や飲み物: 食事制限がある場合があるため、事前に確認するか、日持ちするお菓子など無難なものを選びましょう。
  • 病状を詮索すること: 相手の負担になるため、深入りしないようにしましょう。「早く元気になってね」など、前向きな言葉を選びましょう。

お見舞いは、相手の体調を気遣う気持ちが一番大切です。マナーを守ってスマートに渡すことで、相手への思いやりがより一層伝わるはずです。

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