寸志(すんし)って何?ボーナスとの違いから相場・マナーまで徹底解説!
「寸志」という言葉、会社員の方なら一度は耳にしたことがあるかもしれませんね。「ボーナスとは違うのかな?」「どんな時にもらえるの?」と、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんなモヤモヤをスッキリさせるために、寸志の意味やボーナスとの違い、さらには受け渡しに関するマナーまで、分かりやすく解説していきます!
寸志(すんし)とは?「ほんの気持ち」が詰まった贈り物
**寸志(すんし)**とは、「ほんの少しばかりの志(こころざし)」という意味を持つ言葉です。「寸」には「わずか」、「志」には「気持ち」という意味が込められており、目上の人が目下の人に対し、感謝やねぎらいの気持ちを込めて贈る金銭や品物を指します。
「心付け」とも呼ばれ、ビジネスシーンだけでなく、冠婚葬祭の手伝いなど、プライベートな場面でも使われることがあります。謙遜の気持ちを込めて使う言葉なので、目下の人が目上の人に贈る際には使わないのがマナーです。この場合は「御礼」や「謝礼」といった言葉を選びましょう。
ボーナスと寸志、何が違うの?!
どちらも会社から従業員に支給される金銭ですが、実はその性質には大きな違いがあります。
1. 支給の目的と性質
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ボーナス(賞与):
- 目的: 日頃の仕事の成果や業績に応じた、従業員への正規の報酬という位置づけです。従業員のモチベーション向上や、会社の利益を還元する意味合いが強いです。
- 性質: 通常、会社の就業規則や賃金規定に基づいて支給額や支給時期が定められています。評価制度と連動し、個人の業績が金額に反映されるのが一般的です。
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寸志:
- 目的: 会社からの「感謝の気持ち」や「ねぎらいの気持ち」を込めた、臨時的な贈り物という位置づけです。
- 性質: 支給されるかどうか、またその金額やタイミングに明確な規定がない場合が多いです。例えば、ボーナス支給の条件(勤務期間など)を満たさないパート・アルバイト社員や、入社間もない正社員に対して、感謝の気持ちを示すために代わりに支給されることがあります。また、会社の業績が特に良かった際に、ボーナスとは別に特別手当として支給されるケースもあります。
2. 金額の目安
- ボーナス: 基本給の〇ヶ月分など、ある程度まとまった金額になるのが一般的です。数十万円以上になることも珍しくありません。
- 寸志: 「ほんの気持ち」という意味合いから、数万円〜10万円程度と、ボーナスに比べて少額であることがほとんどです。宴会の幹事への寸志であれば、数千円から1万円程度が相場とされています。
3. 支給の安定性
- ボーナス: 基本的に、会社の業績や個人の評価に変動はあっても、定期的に支給されることが期待されます。
- 寸志: 臨時的な性格が強いため、毎年必ず支給されるとは限りません。
【補足】会計上の取り扱い
寸志もボーナスと同様に、会社から従業員に支給される金銭であるため、所得税や社会保険料の課税対象となります。受け取る側も、税金が差し引かれることを理解しておきましょう。
寸志の金額相場ってどれくらい?
寸志の金額は、その目的や状況によって大きく異なります。
- 会社から従業員へ: 数万円〜10万円程度
- 宴会・飲み会の幹事へ: 5,000円〜10,000円程度(会費より少し上乗せするイメージ)
- 引越し業者へ: 作業員一人につき1,000円〜3,000円程度(最近は受け取らない業者も増えています)
- 冠婚葬祭の手伝いへ: 3,000円〜10,000円程度
あくまで「心ばかり」という気持ちを伝えるものなので、高額すぎるとかえって相手に気を遣わせてしまう可能性もあります。相手に負担をかけない、適切な金額を検討しましょう。
寸志を渡す・受け取る時のスマートなマナー
寸志は金銭が絡むため、渡す側も受け取る側も、スマートなマナーを心がけたいものですね。
【渡す側のマナー】
- タイミング:
- 宴会の幹事へ: 宴会が始まる前、なるべく目立たないように、幹事への労いや感謝の言葉を添えて渡しましょう。
- 会社から従業員へ: ボーナスの時期に代わりとして、または会社の判断で支給されます。
- 渡し方:
- 白い無地の封筒(のし袋)に入れるのが一般的です。水引はなくても構いません。
- 表書きには「寸志」と書き、その下に自分の名前を記載します。
- 新札を用意するのがより丁寧です。
- 言葉: 「ほんの気持ちですが」「心ばかりですが」など、謙遜の言葉を添えましょう。
【受け取る側のマナー】
- 受け取り方: 両手で丁寧にお礼を伝えながら受け取ります。
- 言葉: 「ありがとうございます」「恐縮です」など、感謝の気持ちを伝えます。
- 「寸志」という言葉の言い換え: 受け取った側が、そのお金について第三者に報告する際や、お礼を伝える際には、「寸志」という言葉を使うのは失礼にあたります。
- 「ご厚志(ごこうし)」や「ご芳志(ごほうし)」、**「お心遣い」**といった尊敬語に言い換えて伝えるのがマナーです。
- 例:「〇〇様より、ご厚志を頂戴いたしました。ありがとうございます。」
- 金額の公表はNG: 受け取った寸志の具体的な金額を、周囲に公表するのはマナー違反です。
- 基本的にお返しは不要: 寸志には「お返しは不要です」という意味合いも込められています。無理にお返しをする必要はありませんが、状況によっては菓子折りなど、形に残らないもので感謝の気持ちを伝えるのも良いでしょう。
まとめ:寸志は「気持ち」を伝える大切な習慣
寸志は、単なるお金のやり取りではなく、日頃の感謝やねぎらいといった「気持ち」を伝える大切な役割を持っています。ボーナスとは異なる性質を理解し、渡す側も受け取る側も、マナーを守ってスマートに対応することで、より良い人間関係を築くことができるでしょう。
もし「寸志」をもらったら、それはあなたが頑張っている証拠かもしれません。そして、もし誰かに寸志を贈る機会があれば、その「ほんの気持ち」に心を込めて渡してみてくださいね。
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