唇のSOSサイン!「口角炎・口唇炎」の原因・症状と治し方を徹底解説
「口の端が切れて痛い…」「唇がカサカサで皮がむけちゃう…」
こんな症状、経験したことはありませんか?それはもしかしたら、**口角炎(こうかくえん)や口唇炎(こうしんえん)**かもしれません。食事の時や会話の時に痛みを感じたり、見た目が気になったりすると、気分まで憂鬱になりますよね。
実は、これらの唇のトラブルは、ちょっとした生活習慣の乱れや、意外な原因で引き起こされていることがあるんです。原因を知って正しく対処すれば、つらい症状を和らげ、きれいな唇を取り戻すことができます。
この記事では、口角炎と口唇炎それぞれの原因や症状を詳しく解説し、さらに自分でできる効果的なケア方法や、受診の目安までを分かりやすくご紹介します。もう唇のSOSに悩まされないために、一緒に原因と対策を学んでいきましょう!
唇のトラブル、まずはこれを確認!「口角炎」と「口唇炎」の違いって?
唇の症状には色々な種類がありますが、特に混同しやすいのが「口角炎」と「口唇炎」です。まずは、それぞれの症状が体のどの部分に現れるかを確認してみましょう。
口角炎(こうかくえん):口の「端(はし)」が切れる・炎症を起こす
口角炎は、その名の通り、**唇の両端(口角)**に起こる炎症です。赤く腫れたり、亀裂が入って切れたり、かさぶたができたりします。口を開けるたびに切れてしまい、食事や会話の際に痛むのが特徴です。
口唇炎(こうしんえん):唇の「全体」や「一部」が荒れる・炎症を起こす
口唇炎は、唇全体や、特定の部位(上唇、下唇など)に起こる炎症です。唇が乾燥してカサカサになったり、皮がむけたり、ひび割れたり、赤みや腫れ、かゆみを伴うこともあります。ひどくなるとただれたり、水ぶくれができたりすることもあります。
症状が出ている場所をチェックして、ご自身の状態がどちらに近いかを確認してみてくださいね。
「口角炎」と「口唇炎」の主な原因と症状を深掘り!
ここからは、それぞれのトラブルがなぜ起こるのか、さらに詳しく見ていきましょう。
口角炎の主な原因と症状
口角炎は、いくつかの要因が絡み合って発生することが多いです。
1. 乾燥と物理的な刺激:
空気が乾燥する季節や、体内の水分不足などによって唇全体が乾燥すると、口角の皮膚も硬くなり、口を開け閉めするたびに亀裂が入りやすくなります。また、唇を舐める癖がある人も、唾液が蒸発する際に唇の水分を奪い、乾燥を悪化させてしまうことがあります。
2. 栄養不足(特にビタミンB群):
ビタミンB2やB6などのビタミンB群は、皮膚や粘膜の健康を保つために非常に重要な栄養素です。これらが不足すると、口角だけでなく、唇や舌、皮膚にも炎症が起きやすくなります。偏った食事やダイエットが原因となることも。
3. 免疫力の低下:
風邪などで体力が落ちている時や、ストレスがたまっている時など、免疫力が低下していると、常在菌であるカンジダ菌や、ブドウ球菌などの細菌、ヘルペスウイルスなどが原因で口角炎を発症しやすくなります。
4. 義歯(入れ歯)や歯科矯正器具の不具合:
義歯が合っていなかったり、歯科矯正器具が口角に当たったりすることで、常に刺激が加わり、炎症を引き起こすことがあります。また、唾液が口角にたまりやすくなることで、菌が繁殖しやすい環境になることも。
5. その他:
アトピー性皮膚炎の方や、特定の薬剤の副作用として口角炎が起こることもあります。
【口角炎の主な症状】
口角の赤み、腫れ、ただれ、かさぶた、亀裂(ひび割れ)、出血、食事や会話時の痛み
口唇炎の主な原因と症状
口唇炎は、外部からの刺激や体内の状態が原因で起こることが多いです。
1. 乾燥:
最も一般的な原因です。冬場の乾燥した空気や、エアコンの効いた室内、唇を舐める癖などが原因で、唇の水分が失われ、カサカサしたり、ひび割れたりします。唇は他の皮膚よりも薄く、皮脂腺が少ないため乾燥しやすいのです。
2. 刺激性接触皮膚炎:
合わないリップクリーム、口紅、歯磨き粉、食べ物(柑橘類や香辛料など)、紫外線(特にUVケアをしていない場合)などが唇に刺激を与え、赤みやかゆみ、腫れを引き起こすことがあります。
3. アレルギー性接触皮膚炎:
特定の成分(香料、防腐剤、色素など)に対するアレルギー反応で口唇炎になることがあります。新しい化粧品や食べ物を試した後に症状が出たら要注意です。
4. アトピー性皮膚炎:
アトピー体質の方は、唇も乾燥しやすく、炎症を起こしやすい傾向にあります。
5. 栄養不足:
口角炎と同様に、ビタミンB群(B2、B6など)の不足は、口唇炎の原因にもなりえます。
6. その他:
ストレス、体調不良、特定の病気(クローン病など)、薬の副作用が原因となることもあります。
【口唇炎の主な症状】
唇全体の乾燥、カサつき、皮むけ、ひび割れ、赤み、腫れ、かゆみ、ただれ、水ぶくれ
自宅でできる!口角炎・口唇炎のセルフケアと予防法
症状が軽いうちなら、自宅でのケアで改善が期待できます。
保湿を徹底する!:
これが最も重要です。
薬用リップクリームを活用: 保湿成分(ワセリン、シアバター、セラミドなど)や、抗炎症成分(グリチルレチン酸ステアリルなど)、ビタミン類(ビタミンE、B2、B6など)が配合された**「医薬品」や「医薬部外品」のリップクリーム**を選びましょう。
こまめに塗る: 食後や寝る前はもちろん、唇が乾燥したと感じたらすぐに塗り直しましょう。
やさしく塗る: 唇の縦ジワに沿って、指の腹でポンポンと優しくなじませるように塗ると効果的です。
唇を舐める癖を直す:
唾液が蒸発する際に唇の水分も奪ってしまい、症状を悪化させます。意識して癖を直すようにしましょう。
栄養バランスの取れた食事を心がける:
特にビタミンB群を意識して摂取しましょう。
ビタミンB2が多い食品: 卵、乳製品、レバー、納豆、きのこ類
ビタミンB6が多い食品: 鶏むね肉、まぐろ、バナナ、にんにく
バランスの良い食事が難しい場合は、サプリメントで補給することも検討しましょう。
紫外線対策をする:
UVカット効果のあるリップクリームを使用したり、外出時は帽子をかぶったりして、唇を紫外線から守りましょう。
刺激を避ける:
合わない口紅や歯磨き粉の使用を控え、刺激の強い食べ物(熱いもの、辛いもの、酸っぱいものなど)は症状が治まるまで避けるようにしましょう。
十分な睡眠とストレスケア:
免疫力の低下は症状を悪化させる原因になります。十分な睡眠を取り、ストレスを上手に発散して、体の抵抗力を高めましょう。
こんな時は皮膚科へGO!受診の目安
セルフケアを続けても症状が改善しない場合や、以下のような症状が見られる場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。
2週間以上セルフケアを続けても改善しない。
症状が悪化している(ただれ、出血、水ぶくれがひどい、広がるなど)。
強い痛みや腫れ、かゆみがある。
高熱や倦怠感など、全身症状を伴う。
何度も繰り返す。
医師は、症状の原因を特定し、適切な塗り薬(ステロイド剤、抗真菌薬など)や飲み薬を処方してくれます。自己判断で市販薬を使い続けるよりも、専門医の診断を受けることで、より早く的確な治療が受けられます。
まとめ:唇のSOSサインを見逃さないで!
口角炎も口唇炎も、単なる「唇荒れ」と軽く見られがちですが、実は体からの大切なSOSサインであることが多いです。
症状の場所を確認し、どちらのトラブルか把握する。
乾燥、栄養不足、免疫力低下、刺激物など、原因を知る。
保湿、栄養補給、刺激回避など、正しいセルフケアを行う。
これらの知識と対策で、つらい唇のトラブルを改善し、健康で美しい唇を取り戻しましょう。もし症状が長引いたり悪化したりする場合は、迷わず医療機関を受診してくださいね。